SEPTEMBER ENDs

オレンジ

Juice=Juiceの「恋するハローキティ」を見た。

 

あっぱれ回転ずし!やった???

 

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Juice=Juiceの主演した「演劇女子部 ミュージカル 恋するハローキティ」の感想です。

劇団プロジェクト(公式サイト)

 

その前にあらすじ(結末まで)。

知ってる人はどっさりとばして。

 

 

おもちゃの使命は「自分の持ち主、人間のご主人様にたくさんの幸せをあたえること。たくさんの笑顔を咲かせること」。

おもちゃとして人間のもとへ向かったキティ。しかしキティはそのご主人様に捨てられてしまう。

外の世界を見ることも、声を聞くことも、喋ることも出来ずに雨に震えるキティの頭を、ぽんぽん、と優しく触れる誰かの手。

おもちゃの国に戻ったキティは、その優しい手の彼に会いたい一心で、神様に人間に姿を変えてもらい人間の国へと向かう。

 

おもちゃが人間になるためのルールは3つ。

1.仮初めの人間の姿でいられるのは3日間だけ

2.正体がおもちゃだと知られてはいけない

3.大好きな人からキスをもらうこと

この試練を達成すれば、おもちゃは本当の人間になることが出来る。

失敗すれば――消えてしまう。

 

人間の国へ行き、無事に頭をぽんぽんしてくれた彼、ユウヤと出会えたキティ。

キティは彼にまっすぐ想いを伝えるが、彼のことで学校の誰も彼に近づけないようルールを作っているワカナ、自分の気持ちに素直になれないアリサなど、キティは今まで知らなかった複雑な気持ちに出会う。

やがてキティは、アリサがユウヤと付き合っていたこと、そしてアリサがおもちゃの自分を捨てたご主人様であることを知る。

自分の想いをユウヤに届けたら、ご主人様のアリサが泣く。

しかしこの恋を叶えなければキティは消えてしまう。

 

「私は どうすればいいの?

 自分の気持ちが自分でわからなくなる」

キティは悩み、そして選ぶ。

 

自分にキスをしようとしたユウヤを押し留め、アリサと向き合わせる。キティによって初めて素直な想いを伝えあった二人は、関係を取り戻す。

二人を送り出した後、キティの体は消え始め、意識を失った。

 

目覚めるとキティの前には神様が。

試練を果たせなかったキティだが、ご主人様のアリサを笑顔にするという使命を果たした。

 

キティは人間にはなれなかったけれど、おもちゃとなって、ふたたびアリサの元へと向かったのだった。

 

 

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純粋無垢で、人間と人間の世界は素晴らしい!って思っていたおもちゃが、2泊3日のうちに人間の複雑さにあたま抱えて、でもやっぱり最後は人間と人間の世界は素晴らしい!と歌って終わる。

小旅行みたいな時間しかないのにキティの感情の見せ方がスムーズで上手いなあと。

 

キティが恋する話。ではあるんだけど、結果から見ればキティが「自分の持ち主、人間のご主人様にたくさんの幸せをあたえること。たくさんの笑顔を咲かせること」っておもちゃの使命を果たす話になってる。

おもちゃのキティが人間になってでもご主人様をしあわせにした話。

キティを人間にした神様はキティが恋した相手がご主人様の大事な人であることは知っていたはずで、最後に恋と使命の板挟みになるところまではシナリオ通りだったのかも。わざわざキティの案内役にアリサを指名してるし。

あとはキティがどちらを選ぶか見守るだけ。どちらにしても消えてしまう未来はなかった。神様、厳しいとも言えるけどやさしい。

 

舞台中かなりの割合で舞台上に机が置いてあるんだけど、その中でミュージカルシーンが挟まるもんだから、見ていてだいぶ邪魔な感じはした。あの机どうにかどけられなかったものか。

 

おもちゃの国の設定がふわっとしてて、そう言うの大好き系おたくだから気になっちゃうんだけど、ファンタジーだしな。野暮だな。

「恋した以外の理由で人間になりたい奴は3つ目のルールどうしたら良いんだ」とか。

「キティはどこに住んでたんだろう」とか。

野暮い。

でも、おもちゃの国のみんなのことはもちょっと掘り下げてくれたら楽しかった。

植村さんが魔女っ娘(かわいい)だったり、高木さんがカウボーイ(一人称僕)だったり、オーディション組の二人は猿(動きも猿)と兵隊さん(わがはい)だったり、おもしろキャラ満載。

高木さん男っぽい立ち方すごく研究してた。 高木カウボーイちょっとしか出番ないのに。

 

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余談だけど。

この舞台でいちばん好きなセリフ。

キティ「人間は不思議ですね」

ユウヤ「え?」

キティ「人間はだれを見てるかすぐばれちゃうんですね」

ユウヤ「どういうこと?」

キティ「白目があるから」

じわじわきませんか。

 

 

メンバーごと。

金澤ユウヤ君は、男の動きを研究して練習したんだなあと思う。

座り方、立ち方、歩き方、すごく意識かんじた。

ただ金澤さんは生来持ってる華が強いなー(笑) シルエットも女性的で、でも動きは男子で、男子と女子をいったりきたりした(勝手に自分の中で)。

ソロ歌唱の「いつもの朝」のアクションとダンスがおもしろくてめっちゃ好きです。ワンフレーズ歌うごとに顔を洗ったり歯を磨いたりアクションが入る。でもチクタクチクタクで急にしゃきしゃき踊り出すからびっくりする。ダンスのキレが良いのよ。

学校で女子が協定組んじゃうほど彼はイケメンなのか(振る舞い的に)っていう疑問は持ってるけど。けっこううじうじしてるし。鈍感だし。…顔かな?(身も蓋もない)

完全に余談だけど「なんでそんな顔するの」ってユウヤのセリフをきくたびに、「なんでそんなこと言うの」って言う、ドラマ「オレンジデイズ」の妻夫木君を思い出す。手話付きで。ホントに余談だ。

 

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植村アリサは演技がいちばん意外性あった。ツンツンした冷たい女子を、植村さんの美人さでやるとかなーりハマる。表情の演技もすごく良い。ソロ歌唱の「&YOU」も綺麗だったなあ。音源にしてくれてホントに良かった。

アリサは素直になれなさすぎだけど、あれだけ素直になれないなら、キティの助けでちゃんと話し合ってまた付き合い始めた最後とは言え、やっぱりまた同じことが起きるんじゃないかな。そこで包み込む男がイケメン、と思うんだけどユウヤ君どうなの出来るの。うじうじしてないでサッカーやれよ。

あとアリサにはデレが足りない。と言うかここからがデレだぞ!ってところで物語が終わる。ああ見たい アリサのデレが ああ見たい(5・7・5)。アリサがデレたらぜったい可愛いのにイチコロなのに(死語)。

 

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宮崎神様はしんどい役だったなあ。語尾が「~やよ」とか「~ねんよ」とか使い慣れない言葉だったのは大変だったと思う。石川では使う方言らしいけど。あれ?じゃあ使い慣れてた?

神様役を自分が自由にキャスティングできるなら、ウーピー・ゴールドバーグを使う。日本人なら木の実ナナとか真矢みきとか。そのくらいの貫禄と歌がほしい役だった。ただ、クライマックスで試練に失敗したキティに語りかける宮崎神様の声は優しくて優しくて優しくてあの声で寝たい。あれは宮崎神様にしか出来ないやつ。

宮崎先生の「仲良きことは美しきかな」って歌の「最高、最高、最高、花丸だ!」ってパートが大好きでリピートしてる。

 

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高木ワカナは歌がすんばらし。ソロ歌唱の「翼 落ちてく」はこの舞台でいちばん心臓打つ。自分が舞台を観た日、隣の席の女性がこの歌で泣いていて、帰り道にも女性二人組が「あの歌やばかったね」と話していた。

あと「3つのルール(人間ver.)」も高木ソウルフルワカナでとても良いんだけど、この歌は舞台よりもCD版の方がオススメ。オーデ組の歌が舞台版ではあまり聞こえないけど、CD版だとがつがつ入って来てホントにカッコいい。こういう歌だったのかと驚いた。

DVD買ってタイトルを見て初めて「3つのルール(おもちゃの国ver.)」「3つのルール(人間ver.)」っていうアレンジ違いに気付いた。ふつうに違う曲だと思ってた。鈍感。

 

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宮本キティは、キティ以外として見た瞬間がなかった。

出て来た瞬間からずーっとキティ。天真爛漫なかわいさと純真さ。

ひとり舞台に立って悩み涙しながらのモノローグはホントに難しかったと思うけど、見ていてこれっぽっちも引っ掛かることなく、流れるように見てしまった。あれが不自然にならないってホントすごいな。

上手い!とも思わなかった。キティだと思って見てた。

ちがう役も見たいなー。大人しい役とか怖い役とか見てみたい。

ずっと大事に持ってたダイアリーを物語の最後でおもちゃたちにあげてしまうけど、ダイアリーには何か意味合いがあったのかな。

 

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以上です。

 


演劇女子部ミュージカル『恋するハローキティ』ナビ番組限定公開 - YouTube